川越、不便という奇跡

最近仕事で川越に行く機会が増えた。川越は奇跡の町である。古くから小江戸と呼ばれ由緒ある都市であり、とくに旧町の蔵造りの町並みが有名であり皆さんご承知の通りである。しかしぼくをいつも感心させるのは街の中心に旧町と川越駅を南北に結ぶ1キロ以上続く商店街がしっかりと維持されていることである。「奇跡」であるという論点は、この街の背骨が「幸運な不便」 によってできあがったからだ。つまりJRと東武東上線の「川越駅」と西武池袋線終点の「本川越駅」が程よく離れていて、2つの駅が商店街によって結ばれる。程よくと言っても約700Mは離れており、正直言って乗り換えにはとても不便である。さらに旧町の方には「川越市駅」もありやっぱり町を歩かされる。しかし皮肉にもそうした条件が、商店街を歩く仕組みをつくっている。すなわち「歩行」というもっとも尊い都市活動が活性化されるのである。

先日の日曜日には川越祭りに出くわした。旧町では山車が出ているそうだが(残念ながら見に行く時間がなかった)、駅に続く商店街も大盛況であった。デジカメを持っていなかったので携帯で街の様子を撮った。議論の商店街はフランチャイズの飲食店や洋品店がならぶ日本のそこらじゅうにあるまさに「ファスト風土化」された通りなのだが、祭りになるとそうしたありふれた通りが、さまざまな屋台によって占拠され、町全体が市場になり、レストランになり、劇場に変身するのである。

スターバックスも川越祭限定のタンブラーを販売し祭りを盛り上げていた。(少々高かったので買わずに逃げた。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です