前回のブログからなんと約10年も経っておりました(笑)。コロナで世の中大変な事態になってしまいましたが、まわりの仲間のブログに触発されて、このブログも休眠から解こう。
もう昨年になるが、出張でバングラディシュのダッカに計2か月ほど滞在した。ダッカは、とにかく、「人人人」で溢れかえっていて、騒がしいがとても元気な街だ。喧騒のダッカから戻って来る度に、東京は静かで活気が無いなと思ってしまう。もちろんバングラディシュは貧困や衛生など、深刻な都市・社会の問題を抱えているが、その風景は、人間的で“生き生きとした”ものであると考える。『現在のダッカという都市現象は“野生の思考”がつくりだす風景である』という仮説を基に、ダッカの旅を少し紹介したい。(現在のコロナの状況が心配だが、たくましい国なので必ず克服できるだろう。)
ダッカの街路は、東南アジアの国で見られる“リキシャ”で溢れていた。その数は信じられないほど。街のどこを歩いていても“リキシャ”に遭遇する。英語では “Rickshaw(リクショー)” と発音するが、日本語の(人)力車を語源とするそうだ。東南アジアではリキシャと言うと、天然ガスを燃料とする“オートリキシャ”タクシーを指すそうだが、ダッカでは本来の自転車で牽引する人力の“サイクルリキシャ”もたくさん走っている。
街にあふれかえる「自転車」リキシャ 2019.3月撮影
サイクルリキシャはオートリキシャよりも安く、街のどこでもつかまえることができるので、現地の人は仕事や買い物など、移動でがんがん使う。とても原始的な乗り物だが、運転手(?)の中には、スマホや携帯を持っいるものも居て、現代の通信技術を駆使し、それなりに稼いでいる運転手もいるみたい。すなわち、現地の利用者の中には、スマホでお気に入りのリキシャを呼び出して使う。滞在先のホテルのチェックアウトの際、クレジットカードの読み取り機の調子が悪くカードで支払いが出来ないので、10ブロックくらい離れた銀行のATMで現金をおろしに行くはめになったが、電話でホテルマンが呼び出したのは、サイクルリキシャの少し小奇麗な身なりをした運転手だった。
洒落たアロハシャツを着たリキシャ運転手 2019.7月撮影
自転車リキシャは、2人乗りだけでなく、色々なのがあって、スクールバス、もとい、スクールリキシャまで走っている。車を持っている人たちから、リキシャのせいで道が渋滞して大変だと文句を言われていたが、なんともフレンドリーでスローでエコな乗り物である。
スクールリキシャ 2019.3月撮影
リキシャは楽しそうですが、ダッカではオート型・サイクル型のどちらのリキシャにも一人で乗るのも控えましょう。
新野裕之 Hiroyuki Niino