Revitはアメリカ人, インチとメートル

インチ系とメートル系

アメリカでは長さの単位はメートル系でなく、フィート-インチ系(feet-inch)である。1 inchは  25.4 mmで、1 feet = 12 inch = 304.8mm である。ご承知のように、日本を含め現在では世界中のほとんどでメートルを使用しているので、初めてアメリカの設計事務所で仕事をやり始めた頃は、慣れない12進法の単位と縮尺のシステムに苦戦したものである。

フィート-インチ系 表記法 メートル系
1 inch 1” 25.4 mm
1 feet = 12 inch 1’ – 0” 304.8 mm

メートルは10進法なので、縮尺はシンプルに1/50、1/100、1/200などと分かりやすいが、インチ系での縮尺は以下のように十進法に変換すると端数が出てくるので、メートル系の物差しやサンスケ(三角スケール)は使えない。ただし1/8” = 1’ – 0”などは1/100のスケールで代用できたりする。

インチ系縮尺例 スケールファクター デシマル
1/32” = 1’ – 0” 1 / 384 0.0026041666
1/16” = 1’ – 0” 1 / 192 0.0520833333
3/32” = 1’ – 0” 3 / 384 0.078125
1/8” = 1’ – 0” 1 / 96 0.0104166666
1/4” = 1’ – 0” 1 / 48 0.0208333333

始めは手すりの高さ3′-6″は1,066mmなどと、いちいちメートル換算して理解していた。まるで英語を使うのに、いったん日本語で考えてから英語に翻訳する(ぼくのような)典型的な日本人のようである。慣れてくると、インチ系の建物の方が3’、6’、12’、15’などとシンプルかつ身体スケールに即した寸法体系を持っていることを認識できる。例えば背の高いアメリカの男性の平均身長は6’、歩道の幅は12’などと分かり易い。逆に「チリ3mm(約1/8″)」などと言うとそんなに微細な寸法はアメリカの建設現場では無意味(制御不能)とボスに笑われてしまう。メートル系はサイエンティフィックでメカニカルであり、インチ系はヒューマンである。日本でも尺が使われていたが、人間的な寸法体系であることは言うまでもない。一間(6尺)は1.81818mなので、6フィート(1.8288m)とほぼ同じ寸法ある。

補足:日本の場合、畳や襖のモジュールは柱や梁の内法でとるので、畳の大きさは、地域によるが、6尺ない。江戸間の大きさは、5 尺8 寸(176cm)×2 尺9 寸(88cm)。

AutoCADの単位(Unit)の仕組み

さて、話を戻す。アイフォンもまだ世に出ていない20年以上前は、もちろんBIMなどなくAutoCADで設計していた。AutoCADの単位(Unit)は、インチ系とメートル系の互換性が無い。分かり易く例えると、米国のAutoCADの図面と、日本で使うAutoCADの図面はまさしく世界が異なる。以下にAutoCADでの実際の操作によって説明する。AutoCADにはインチ系のテンプレート「Tutorial-iArch.dwt」などが入っているので、それを使うと便利。[図1]のように27フィート角の平面を作図する。27’は8,229.6mmである。

[図1]インチ単位系でのCAD図

次にそのインチ単位のデータをコピーし、メートル単位のモデルスペースにペーストすると、27′-0″の寸法が、324となる。すなわち27 x 12 = 324 で、27′-0″角の平面が、324mm角の平面に縮小されてしまったということ。これをメートルの世界に変換するためには、1 inch = 25.4 mm なので25.4倍する必要がある。

追記:初めてインチ系の環境でCADを使う時のよくある間違いは、モデルスペースでインチユニットで作図し、ペーパースペースで印刷するときに、インチ系の図面をA3(420mm x 297 mm) などのメートル系のペーパースペースにレイアウトするとスケールが合わない。A3(420mm x 297 mm) は A3(16.5354″ x 11.6929″)であることを忘れているのである。

[図2] 左のインチ単位系のCADデータを、右のメートル単位系にコピーしたもの

Revitの単位(Unit)の仕組み

一方、Revitの場合は異なるシステムを持つ。当然日本語版のRevitは初期設定では単位はメートル系である。しかし、AutoCADと違ってメートルとインチのデータの長さは絶対寸法を持っている。

上のAutoCADと同様の操作で理解してみよう。日本語版のRevitの基本テンプレートはメートル単位だが、インストール時のライブラリにインチ単位のものも入っている。「Default_I_ENU.rte」 [図3] を使う。IはImperialのI。インチシステムの日本語の名称は「帝国単位」と少々威圧的である。

[図3] インチ系のテンプレート「Default_I_ENU.rte」

このテンプレートで、27’角の箱をつくる。フィート単位のプロジェクトの中にいるので、27と入力すれば自動的に27’となる。寸法を入れて確認する。[図4]

[図4] インチ系テンプレートでの作図

次に通常のメートル系のテンプレートを開き、[図4]のモデルをコピーしてメートル系の白紙のモデルにペーストする。するとこの場合は、寸法は8230となっている[図5]。すなわち27’角の箱が8,229.6mm(27 x 12 x 25.4)角の箱としてコピーされたということを示す。

[図5] 左:インチのモデル 右:メートルテンプレートにコピペしたもの

Revitはアメリカ人

ここからが本題である。すなわち、RevitのUnitは絶対的な長さのプロパティを持っているということである。「Revitはアメリカ人」とは、ファミリだのプロファイルだのインプレイスなど訳の分からないカタカナ満載の日本語版Revitのインターフェースを指しているいるのではなく(そういう皮肉もこめているが)、ここでは「メートル系のテンプレートの中でインチ入力できる」ということである。

インチ寸法の作成

まずインチ対応の寸法タイプを作成する。寸法スタイルの一つをコピーして名前をフィートなどの名前を付けて別タイプとする。単位書式がmmになっているので、この単位を変更する[図6]。

[図6] 長さ寸法のプロパティ画面

すると以下のような設定画面となる。ここで「プロジェクト設定を使用」のチェックをオフにすると、単位をフィートインチ変更できる。「フィートと分数表記インチ」とする。[図7]。すなわち、デフォルトではプロジェクトの単位系はmmということ。

[図7] 寸法単位の変更

これで準備完了。この寸法タイプで先ほどの箱を測ると、27′-0″の寸法を記入できる。[図8]

[図8] インチ寸法の入力

インチ入力での通り芯の作成

さらにメートルのユニットの世界で、インチ入力で通り芯を作成する。まず27’を三等分し9′-0″の通り芯を入力する。プロジェクトの単位設定がメートルなので通り芯をコピーしようとすると、2000などのようにmmの青い作図寸法が出てくるが[図9]、無視し、「9’」と数値入力をする[図10] 。フィートの記号「’」は「シングルクォーテーション」という。すると9′-0″のスパンで通り芯を入力できるのである。長年そのことに気が付かなかった筆者は、これを知った時は、「なるほどRevitはアメリカ生まれなんだ」と感慨深く(?)妙に納得したものである。

[図9] コピーによる通り芯入力

[図10] フィートの数値入力「9’」

インチは「”」「ダブルクオーテーション」を付ければ良い。たとえば4′-6″「4’6″」と入力する。この場合6″はちょうど半分なので「4.5’」でも良い。このようにRevitではメートルの世界でも、バイリンガルにインチの世界が使えるようになっているのである。ちなみにAutoCADのメートル単位系の中で「4’6″」と入力しても単位として認識することはできないので試してみてください。

[図11] Revitではメートルもインチもバイリンガルに入力できる。

HN 2021.01

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LumionからVRコンテンツをつくりWebで見る

せっかくLumionを持っていたら、ぜひVRコンテンツを作成したい。もちろんGearVRやOculusなどの本格的なコンテンツも作成できるが、ゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)を持って無くても見ることのできる便利なメディアが 、

Google VR View

Google VR View である。java scriptを埋め込むだけで、Lumionで作成した360°パノラマイメージをwebページ上で体験することができる。

SketchUpからLumionへ

それではLumionからコンテンツを作ってみよう。今回は下のSketchUpモデルを使う[Fig01]。

[Fig01] Lumionと同期させるSketchUPのモデル

LumionではSketchUpのファイル.skpをネイティブに開くことができるようになっている。前回のRevitからLumionへと同様、SketchUpでもLiveSyncを使うこともできるが、今回はLumionに.skpファイルを直接開く(インポートする)やり方でデモ。直接取り込むのとLiveSyncを使用して取り込むのも何も変わらない。(結局の所、筆者の遅いPCではLiveSyncを付けたまま作業できないし。。)取り込みには緑のインポートボタンを押す。

[Fig02] IMPORT

インポートはSketchUpのレイヤや表示などの設定がそのまま反映される。すなわち、SketchUpで例えば「レイヤ1」を非表示の状態でインポートするとLumionに「レイヤ1」は取り込まれない。Revit+LiveSyncと同様、SketchUpのマテリアルはLumionでそのまま有効。ガラスが不透明でインポートされるかもしれないが、その場合はLumionでまとめてアサインできるので問題ない(Revit+LiveSyncの時と同じ)。SketchUpの場合は、面で作成した木や人の要素や、ガラス以外のマテリアルやからマッピングテクスチャもすべてSketchUpと同じように取り込まれる[Fig03]。「ネイティブ」なので。

[Fig03] LumionではSketchUpモデル(.skpファイル)を直接インポートすることができる。

木や人はLumionで新たに入れ直し、SketchUpの不必要なレイヤは消して、.skpファイルを同期し直す。先の緑のIMPORTボタンを押すと、もう一つ同じモデルがインポートされてしまう。同期するには以下の手順で行う。まずモデルを選択すると、下のモデルの情報パネルが出てくるので[Fig04]、

[Fig04] インポートモデルの情報パネル

左の同期ボタンを押す[Fig05]。 モデルが大きいと同期に少し時間がかかる。少し待つとSketchUpの平面の木や人が消える。同期なのでLumionでアサインしたガラスなどの設定は変わらないので安心ください。これでモデルの準備が完了です。

[Fig05] 同期ボタン

Lumion 360°パノラマビュー

いよいよVRコンテンツの書き出し。360°パノラマビューを使う。設定は、カメラや動画と同じ。

[Fig06] 360°パノラマビュー

[Fig07] パノラマビューモード

モノラルモード

レンダリングボタンを押すと、保存するファイル形式の設定画面となる。Target DeviceはGeneric(汎用デバイス)。Stereo(立体的)はOn/Offの設定があるが、まずはOffでレンダリングすると

[Fig08] レンダリング設定画面、モノラルモード(立体的オフ)

モノラルモードでは以下のようなレンダリング結果。

[Fig09] 360°パノラマビュー、モノラルモードでのレンダリング

ステレオモード

一方、ステレオモード(立体的)オンでレンダリングすると

[Fig10] レンダリング設定画面、ステレオモード(立体的オン)

左目と右目用の画像が上下にレンダリングさる。

[Fig11] 360°パノラマビュー、ステレオモードでのレンダリング

モノでもステレオでもどちらのレンダリングでもGoogleVRで見ることができるが、もちろんより臨調感のあるVRコンテンツはステレオです。これでコンテンツを書き出し完了。静止画(jpg)ですが、360°パノラマ画像はレンダリングに非常に時間がかかる。ちなみに著者の遅いPCでは上のレンダリングで半日かかる。おそらく5分程度の動画なら2~3時間でレンダリングできるはずです。

htmlの設定

ここからはサーバーにアップするためのhtmlのページの設定。以下の手順はGoogleVRの公式ページの通り。まずは、VRViewのjavaコードの埋め込み。htmlの中にGoogleのサーバのリンクを貼る。

<script src="https://storage.googleapis.com/vrview/2.0/build/vrview.min.js"></script>

次にBodyの中にvrviewを貼る。

<div id='vrview'></div>

最後にVRコンテンツのロード。

window.addEventListener('load', onVrViewLoad);

function onVrViewLoad() {
  // Selector '#vrview' finds element with id 'vrview'.
  var vrView = new VRView.Player('#vrview', {
    video: '/url/to/video.mp4',
    is_stereo: true
  });
}

上の例ではvideo:を読み込むことなになっているが、上のデモのような静止画(jpg)の場合は、「video: ‘/url/to/video.mp4’, 」の部分を 「image: ‘ファイル名.jpg’,」

に変えるだけ。以下はhtmlの例。幅と高さは適宜設定してください。

==============================================

<html>

<HTML>
<HEAD>
<TITLE>タイトル</TITLE>

<script src=”https://storage.googleapis.com/vrview/2.0/build/vrview.min.js”></script>

<script>
window.addEventListener(‘load’, onVrViewLoad);

function onVrViewLoad() {
var vrView = new VRView.Player(‘#vrview’, {
image: ‘ファイル名.jpg’,
is_stereo: true,
width: ‘100%’,
height: 500
});
}
</script>
</head>

<body>
<div id=”vrview”></div>
</body>

</html>

==============================================

サーバへのアップロード

htmlファイルをPC上で直接開くが、読み込むことがでない[Fig12]。

[Fig12] PC上(ローカル環境)ではGoogleVRが読み込めません。

PCのローカル環境ではGoogleVRが読み込めないようです。筆者はここでつまずく。サーバにアップして確認する。

[Fig13] GoogleVR

サーバにアップロードしたら無事に見れるようになりました。

簡単でしょ。試してみてください。

2020.11.22 HN

※動画(3分:1,280 x 720)のレンダリング時間は、360°パノラマイメージ(4,096 x 4,096)の半分。

RevitからLumionへ

昨年Lumionを購入した。それまではプレゼン用のレンダリングも含めRevit内ですべて作業していたが、重宝していたMental rayが使えなくなり、Vrayを入れたりしたが、ようやくLumionに行き着いた。BIMを始めた時点で早々にLumionを導入していれば良かったというのが率直な感想である。国内外を問わず、建築設計事務所での採用率が高いのもうなずける。

Lumion

Lumionは「リアルタイムレンダリング」と言って、ゲーム開発やVRコンテンツなどの作成のプラットフォームとして使用されるUnityやUNREALなどと同様のシステムのソフトである。リアルタイムというくらいなのでレンダリング時間がとても早く、したがって動画も手軽に作成できる。一昔前は、建築の世界ではほぼレイトレーシングレンダリングだけに頼っており、アーキテクトは施主やプロポーザル等へのプレゼンでリアルな勝負パースを作成したいときは、「CG家さん」に外注せざるを得なかった。フォトリアルなレンダリングを作成することができるソフトの代表格に3dsMaxがあるが、アーキテクトが直観的に使えるような簡単なソフトではなく、たとえマスターしたとしても入力に時間がとられるので、建築家が設計をしながら3dsMaxで絵を描くのはなかなかハードルが高い。また、3dsMaxのレイトレーシングはとてもきれいだが(映画などCGのプロが使うソフト)、その分レンダリングに時間がかかる。筆者が20年程前働いていたNYのヴィニョーリ事務所では、Maxを使いこなすインハウスの若いレンダリングチームがいて、コンペの前になると、事務所中の40~50台のコンピューターを稼働させネットワークレンダリングをかけて動画を作成していた。もはやBIMやVRが標準になった若い世代には想像つかない話である。さて今日のBIM時代のアーキテクトは、最初からリアルタイムレンダリングを使えば、プレゼン作業がかなり効率化できる。特にLumionは建築用のレンダリングや動画作成のみに特化してる。基本的にモデリング機能は付加せずに、Revit、ArchiCAD、Sketchup、Rhinocerosなどアーキテクトに広く使用されているBIMや3DCADとのすべてのソフトとの互換性の高さで勝負しているソフトである。もちろんVRソフトなのでゲームコントローラーやヘッドマウントディスプレイでヴァーチャル内覧会ができるわけである。

[Fig01] Lumionと同期させるRevitのモデル

Revit Lumion LiveSync

さて、そんなLumionを買っては見たものの、最初のうちはデータのやり取りのやり方が分からず、半年くらいは「宝の持ち腐れ」だった。もったいないのでネットで勉強した所、データのやり取りはとても簡易で、その互換性もほぼ完璧であり、RevitとLumionを「インタラクティブ」に使用できるということが分かった。えらく前置きが長くなってしまったが、ここで「インタラクティブ」であるとことをさっそくデモしたい。

[Fig02] Lumion LiveSyncのアドインの画面

まず、RevitとLumionを連携させるためには、Revitに「Lumion LiveSync」というアドインをインストールする[Fig02]。アドインはAutodeskのAppStoreから無料でダウンロードできる。軽いのですぐダウンロードでき簡単に組み込める。

[Fig03] Lumion とRevitの画面

次にLumionを開く。上のようにダブルスクリーンで左右で表示させると便利である[Fig03]。

[Fig04] Lumion LiveSyncの同期操作

RevitのLiveSyncの操作は極めてシンプルである。[Fig04] ライブシンクというくらいなので、Revitの3DビューとLumionを同期させることができる。再生ボタンを押すと、LiveSyncがON(緑色)になる。すると、Lumionの中にRevitモデルが表れる

[Fig05] Lumion に何も出てこない!

はずなのだが、何も出てこない![Fig05]  よく見ると地面が暗くなっている。実はRevitで地面の高さを標高通りに作成しているため、Lumion上で約100Mの高さにモデルが浮いており、大きな影が落ちているのである。※特に何も設定しなければRevitの基準点(0,0,0)がLumionの基準点(0,0,0)に対応している

[Fig06] ようやく宙に浮いているモデルが表れた!

実はそのことに気づくまで相当時間がかかったのだが、我慢強く視点を後ろにグーっと引いていき、宙に浮いているモデルをようやく発見することができた[Fig06] 。宙に浮いたまま作業するのも気持ち悪いので、Lumionの地面の近くに移動させると、Lumionの地面にRevitのモデルが表れる。※Lumionで数値入力で移動させると手っ取り早い[Fig07]

[Fig07] Lumionの地盤面近くにモデルを移動

Revitのモデルと比較すると、下図[Fig08] のような結果となる。Revitの木や人は同期してない。(そもそも木や人などの点景はLumionに良いライブラリーが揃っているので必要ない。)Revitのテクスチャーは基本的にすべて入る。ここではガラスも透明な状態で入っているし、水もしっかり表現されている。ガラスなどがうまく入っていない時は、Lumion上でRevitのマテリアルごとにテクスチャーを一括で変更できるようになっているので、ガラスを透明度や反射度を上げたり、色をつけたり、すりガラスにしたりなどインスタントに入力できる。Lumionで一度マテリアルなどを変更すると、その設定は保存される。※注意点を後に示す

[Fig08] 同期結果(Revitの木と人は同期されない)

さて屋根が真っ白だが、Revitのテクスチャーマップを外部参照していたりすると、こういう事態が発生する。Revitに戻ってテクスチャーイメージを再設定するとLumionにすぐに同期する。このようにRevitで作業するとLumionに自動的に同期されるのである。もちろん、テクスチャーだけでなくRevitで窓を大きくしたりすれば、Lumionに不整合なく反映される。繰り返すと、RevitとLumionで「インタラクティブ」に設計できるということである。

※PCのスペックが低いとLiveSyncをかけたままでRevitとLumionを同時作業すると、動作が非常に遅くなるので、そういう場合はRevitでの最新の状態を確認したいとき以外はLiveSyncを切っておくと良い。

[Fig09] Revitでマテリアルを割り当てると、その修正が自動的にLumionに同期する

ここで注意したいのは、Revitのすべての3Dモデルと同期するので、例えば[Fig10] のような断面パースのビューがアクティブな時に、意図的にせよそうでないにせよ、LiveSyncの再生ボタンを押すと、Lumionに断面パースのビューが同期するということである。Lumionの中で表示させたくないRevitの家具や車などはRevitの3Dビュー内で非表示にして同期させるのだが、同期させる3Dビューを間違えるとその設定がすべて元に戻ってしまうので注意ということである。この点も最初のうちは、知らずに作業し何度と失敗したことか。。

[Fig10] Revitモデルとの同期はすべての3Dビュー対して有効

[Fig11] Lumionで3Dの木と人を入れたもの

上はLumionで3Dの木と人を入れたもの。さまざまなアセットが用意されているので、選ぶのも大変である。地面の芝なども3Dの草むらの表現ができるのだが、筆者のPCでは重たくなりすぎるのであきらめている。この画面はあくまでLumionの基本画面で、ここからレンダリングをかけるとよりリアリティのあるレンダリングが出力できる。事務所のミドルスペックのPCでも、2Dのパースは大きいものでも1分程度(レイトレーシングでは2~3時間)で、Youtubeにアップロードするような1,280 x 720ピクセル3分程度の動画なら1.5時間くらいで出力できる。おかげで夜中にレンダリングを始め、朝にミスに気付いて提出に間に合わなくなるなんて悪夢から解放された。リアルタイムレンダリングさまさまである。

2020.10.21 HN

レイトレーシング系のレンダリングエンジンはもう不要ということではありません。例えばVrayはRevitのエクステンションとして直接組み込むことができ、さらにVray Nextにバージョンアップされたので、Revitの中でさらにきれいな絵が出力できるようになってきている。3dsMax, Vrayなどのレイトレーシング系のソフトで、とことんフォトリアルなレンダリングを追及するか、Lumionのようなリアルタイムレンダラーで手早く効率的なプレゼンを追及するか、プレゼンのオプションが増えたということです。

2020.11.11 HN